~決め手はハート~
「この連載は新卒で就職に失敗し20年以上に及ぶ試験勉強生活の末、
税理士・社労士資格を取得し苦節46歳にしてようやく悲願の個人事務所開業を
果たした男の資格取得を決意してから独立開業までの壮絶な過程を
複数回にわたって投稿していくものである」
Back in 2006
退職から1週間で臨んだ最初の面接。
対応した所長先生に前事務所での仕事内容や退職に至った経緯を
包み隠さずお伝えしたところひどく同情されていました。
事務所の歴史もあってセミナーや出版物も定期的に出されている先生で
即日ではありませんでしたがすぐ内定の連絡をいただきました。
試験勉強にも配慮してくださるとの嬉しいお言葉が。
そして土曜日に迎えた近所の事務所の面接。
求人は正社員とパートの同時募集でしたが、どうしても試験勉強を
優先したい都合上、応募の段階では残業のないパート希望で面接に臨みました。
面接は所長先生(=以下所長)とその奥様の二人での対応でした。
小規模な典型的な町の会計事務所で所長はその年に独立開業したばかりで
外部から社員を採用するのは今回が初めてとのこと。
まず税理士試験の受験状況のことを聞かれてお答えしたところ
「私は税理士試験を16回受けました」
と強烈な一言。
「自分の欠点は何?」
といった後ろ向きとも思える内容の質問もありましたが
前事務所退職の理由については
「会計事務所は良くも悪くも所長の考えがすべて」
と理解を示していただき、少なくともネガティブな印象は持たれなかった
ようでした。
結果は後日連絡ということでしたが帰宅直後に突然電話があり
「もう一度会って話をしたいので出来れば今日もう一度来てほしい」
とのご連絡。
この後散髪の予定が入っていたため夕方近くに再度事務所を訪れたところ
「社員として是非来てほしい」と強烈なラブコールが
気がかりだった残業や休日出勤についても繁忙期を除いて
ほとんど残業は無いから安心してほしいとのこと。
社労士試験に合格していたことも大いに評価していただけたようで
そのような人物が面接に来るのは良い意味で想定外だったとのことでした。
また、一駅だけの距離だったにもかかわらず交通費も包んでいただきました。
最初に受けた事務所の方が規模が大きく経験出来る仕事の内容も充実している
印象でしたが、独立したばかりとはいうものの古くから開業されていた先生の顧客を
そのまま引き継ぎ事務所として成熟していること、なにより所長の熱意に心を動かさ
れたこともあって、お世話になる決意を固めました。
週明けすぐに社員として入所したい旨をお伝えした上で事務所に赴き正式に一員と
なりました。
悪夢の退職から2週間足らずで次の働き口が見つかったことはこの上なくラッキーで
ここからが本当の意味での会計人としてのスタートであったと思います。
つづく