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ライフスタイル

連載 独立開業までの道のり(第8回)

~お前はゼロか?ゼロの人間なのか?~

「この連載は新卒で就職に失敗し20年以上に及ぶ試験勉強生活の末、
税理士・社労士資格を取得し苦節46歳にしてようやく悲願の個人事務所開業を
果たした男の資格取得を決意してから独立開業までの壮絶な過程を
複数回にわたって投稿していくものである」

Back in 2008~2010

入所して2度目の確定申告期を迎えました。

例年、事務所全体で200人ほどの確定申告を請け負っていましたが、
突然退職した先輩社員の穴埋めが出来ぬまま繁忙期に突入してしまったため
臨時で所長のお仲間の税理士先生に助っ人で加わっていただくこととなりました。

また、前年までは残業する日は夕方に食事休憩をしてから再び業務をしていたのを
所長の方針により途中休憩を無くし、その分早く退勤するというスタイルに変更しま
した。

拘束時間が減ったおかげもあって連続出勤は同じで手がけた人数は増えたにもかかわ
らず肉体的な負担は前年ほどなかったように思います。

通常業務についても一部を除いてほぼ一人で完結できるようになり
前年は先輩社員の方にお願いしてしまった自社株式の評価業務も事前に専門学校の
実務講座に通ったうえで自分自身の力で算定を行いました。

特に小規模な士業事務所はギリギリの人数で運営しているところがほとんどで
一人あたりにかかる業務負担が大きく、新人に手取り足取り仕事を教えられる体制は
ほぼ整っていません。
最初に勤務した事務所の放置ぶりは極端としても、基本的に業務の核となる知識の
詳細については自主的に学び吸収していく姿勢が必要不可欠となります。

プライベートでは姉に双子の女の子と男の子が産まれて初めて叔父さんに
なったのと、それからほどなくして祖母が他界し母の4年近くに及ぶ介護生活も
終わりを迎えることになりました。

このように仕事も家族も着実に状況が変化していきましたが
肝心の税理士試験はというと…
いつもの簿記財表2科目受験でいつもの2科目不合格。
一向に最初の壁を突破できない状況に次第に焦りが出始めてきました。

周りに税理士試験の勉強をしていると言うとたいてい何科目まで合格しているのかと
聞かれ、まだゼロと答えると相手も気をつかってかそれ以上に聞かれることは無くな
んとも肩身の狭い思いでした。

さらに翌年、翌々年もその状態は変わらず、あまりの体たらくに周囲からも呆れられ
かねない状況となりました。無気力になっているとも思われていたでしょう。

試験勉強を開始して7年で受験回数はすでに簿記論6回、財表5回を数えていましたが
いまだに合格科目ゼロ…

年齢も34歳となり同級生は結婚して家庭を持つ人が続出する中、
こちらは結婚どころか異性との出会いの機会すらなくこちらもゼロ…

そんなゼロ尽くしの現状にさすがに嫌気が差したのか不合格通知を見た時、
今までは不合格が当たり前だと思っていましたが、にやついてごまかしていました
が、今回ばかりは心から悔しい感情がわき冒頭のセリフが身体中を駆け巡りました
(詳細省略)

この後、所長から涙に濡れたゲンコツで殴られ…はしませんでしたが
ようやく危機感が芽生え翌日からある習慣を実行に移したのでした。

つづく