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連載 独立開業までの道のり(第20回)

~どうしようもない僕に天使が降りてきた~

「この連載は新卒で就職に失敗し20年以上に及ぶ試験勉強生活の末、
税理士・社労士資格を取得し苦節46歳にしてようやく悲願の個人事務所開業を
果たした男の資格取得を決意してから独立開業までの壮絶な過程を
複数回にわたって投稿していくものである」

Back in 2020

税理士試験受験後、真っ先にとった行動は婚活の再開でした。

前回活動時は成婚まで繋がらず一度は諦めたものの前年に若手社員2人が
相次いで結婚したのを目の当たりにして再度、婚活への意欲が再燃。

心の底からパートナーが欲しい、結婚を諦めたくないと強く思い
年内いっぱいまでの4か月間限定と決めて再活動することに。

相談所は前回活動していた相談所とは別の相談所に入会。
前相談所に再入会も可能でしたが当時の担当カウンセラーとのやりとりの中で
少なからず不信感が生じたことと新たな環境で心機一転したいとの思いからの
変更でした。

早速、9月1日から活動を再開したところ前回活動の相談所とは別の検索システムを
利用したこともあって嬉しいことに女性側からのお申し込みもそこそこあり、
瞬く間にスケジュールがお見合いで埋まっていきました。

特にシルバーウィーク中は4連休のうち3日間お見合いとなり1日で複数名との
お見合いも初体験する等、なかなかのハードスケジュールに。

そんな中でお見合いした方のうち一人と仮交際が成立。

通常、初対面のお見合いの席で自身の仕事の話を必要以上にするのは好ましくない
とされていましたがお相手も経理関係の仕事をしていたためむしろそちらの話題で
会話が弾む展開に。

仮交際成立後初めての食事では初対面時以上に楽しくお話することが出来、
これまで婚活で知り合った方とは明らかに違う心の充実感を感じました。

後の妻となる女性とお見合い初対面をしたドトールアレア品川店

10月に入り初めてお出かけデートを企画しましたが生憎、台風接近により
予定がキャンセルに。

次回お会いする日まで少し間隔が開いたことから一度、LINE電話で通話を
してみようという話になりました。

電話機能を使用したのはお互いこの日が初めてでしたが1時間以上も楽しく
会話をすることが出来ました。

浜離宮庭園でのお茶と和菓子
都民でありながら初めて訪問した東京タワー

担当カウンセラーにはその日のデート内容やお相手の様子を事細かに報告。

前回婚活時はカウンセラーとのコミュニケーションがうまくいかず交際相手と
すれ違いが生じ破局に至った反省から相手の反応やこちらに対する温度感を
常に先方カウンセラーに問い合わせていただけるようお願いしました。

その後のお食事の際に今の思いを率直に打ち明け見事真剣交際ステージに進展、
それ以降、毎週土曜日は二人でお出かけする関係になりました。

真剣交際を申し込んだ田町の居酒屋「湯浅」
葛西臨海公園のマグロの大群を前に愛を告白

一方、職場では転職エージェント経由で待望の経験者社員が入社。

すでに税理士試験4科目を保有していて官報合格にリーチをかけている
状況で8月の税理士試験で最後の科目を受験したばかり。

仮に年末官報合格を果たしたとしても当面独立は考えておらず支所長として
全面的に顧客を担当したいとの意向に上席も好反応を示し即、採用が決定。
事務所として初めて社宅を手配する等、まさに三顧の礼をもっての迎え入れでした。

そしてこの頃からとある顧客へ行ったコロナ関連対応で自分の思い違いが原因による
不備が生じ騒動となったことや別の担当先の業務の進め方を巡って上席から状況説明
とその対応を求められる場面が度々発生し、ついには土曜日のデート中にも問い合わ
せの電話が。

身から出た錆とはいえ楽しいひとときに冷や水をぶっかけられたようでこの時ばかり
は激しい憤りを覚えましたが二人で過ごす時間は仕事でのストレスを忘れさせてくれ
る心の休息でした。

以降も平日は毎日LINEでやりとりし金曜日の夜はLINE電話で会話、土曜日はお出か
けデートで一日過ごすのが1週間のパターンとなり、お付き合いしている異性がいる
とこんなにも心が豊かになり生活が充実するものなのかと胸が熱くなる思いでした。

交際は順調に進み11月に入り真剣に結婚を考えていることを率直に伝え、
彼女からもOKのお返事をいただき晴れて婚約が成立。

カウンセラーには仮交際時から一貫して

「これほどまでにお話していて楽しくて心が安らぐ人に出会うことはそうそう無い」

と伝え続けこの人とならこれから先の人生を楽しく仲良く過ごしていけると確信、
こちらも前回の婚活時に学んだ「言葉でハッキリ想いを伝える」ことを勇気を出して
実践し見事、その成果が出ました。

活動期間2か月半、お見合い初対面から2か月でのスピード婚約でしたが
決断にはなんの躊躇もありませんでした。

秋風吹く中、プロポーズした深大寺植物園

実家の両親にも報告したところ心から喜んでくれ

母親からは

「ようやく春が来たね」

とLINEメッセージが。

ご縁がある時はトントン拍子に事が進むというのは聞いていましたが
まさにそれが自分にも訪れた瞬間でした。

友人にもLINEグループで婚約を報告したところまさかのサプライズに
その日の深夜、緊急ZOOM会見が開かれ出会いやゴールインまでの経緯を
根掘り葉掘り。

活動の状況は職場や友人はもちろん家族にさえ詳細には伝えていなかったため
一様に信じ難い反応でしたが皆に遅れること10数年、独身貴族ならぬ独身卑属を
卒業しついに妻帯者の仲間入りを果たしました。

12月に入ったところでそれぞれの両親と対面し婚約を報告、正式に結婚を認めてい
ただきました。

婚約指輪を購入しパチリ

そして税理士試験の合格発表はまたしても事務所の忘年会の日と重なることと
なりましたが、会の最中に経験者社員から見事、官報合格したとの報告が。

お祝いムードに俄然火が点き、もう一人試験結果を気にしている者がいることなど
まったくお構いなしのどんちゃん騒ぎぶりでした。

毎度のことながら深夜近くにようやく帰宅し郵便受けに入っていた通知を開けた
ところ結果は不合格。

受験した感触からして厳しいとは思っていましたが国税徴収法に選択科目を変更して
以降、はやくも3度目の不合格となり、うかれ気分に鉄槌が下されることに。

週明けにいたたまれない気持ちで職場に結果を報告したところ今後のことについて
上席から思わぬ提案を受けたのでした。

つづく